ハングパーラメント状態のイギリス総選挙結果を受けてキャスティングボードを握るのは?
ハングパーラメント(宙吊り状態)と言われている、総選挙は、
どの党も過半数に遠く及ばない状態を指します。
二大政党といわれている、保守党と労働党はどちらも35%程度の
獲得数といわれていました。
そこで、イギリス総選挙後の連立体制はどうなるのか分析してみました。
連立さえ組めない複雑な事情
総選挙の勝者はどこかといえば、スコットランド民族党 (SNP)です。
前回の一桁の獲得数から考えると、大躍進といえます。
スタージョン党首の人気が今回の大躍進の要因ですが、問題なののは、
この党と連立を組む党が見当たらないことです。
鍵をにぎるSNPとUKIP
連立を組む組み合わせとして、労働党とSNPが考えられますが、労働党の
ミリバンド党首は、自分が党首である限り、SNPとの連立はないと言い切って
います。
保守党も、もし労働党とSNPが連立をくんだら、イギリス経済は破綻すると
警告、避難合戦の対象となっています。
そこで、もう一つの注目は、イギリス独立党(UKIP)です。
こちらの党は、EU離脱と移民の排除を唱える、極右的な党ですが、過半数に
満たない現状では、保守党もこちらを意識した選挙展開をしてきました。
2017年にEU離脱是非の国民投票
これが、今回保守党のスローガンとなっています。
これは、UKIPを意識して、その支持層を取り込もうとした戦略です。
ただUKIPについては、党首のファラージ党首の当落も怪しく、今回の
イギリス総選挙後の展開は、全く読めない状態です。
もしも、不人気といわれている自由民主党が、保守党とたして過半数に
達すれば、イギリスの政局も落ち着くのではと思われますが、肝心の
票数が足りないようです。