ファビピラビル(アビガン)とレムデシビルの新型コロナウィルスへの効果と見通しは!?

新型コロナウィルス感染による世界の混乱が止まりません。
これは第2次世界大戦以降最大の世界的危機と言われている
なかで、今もっとも待たれているのが、この新種のウィルスに
たいする治療薬の発見です。
そこで現在期待されているのが、主に商品名がアビガンであるファビピラビル
とレムデシビルです。
そこで今回はこの2つの薬について調べてみました。
ファビピラビル(アビガン)とは
ファビピラビルは2014年に日本で承認された
抗インフルエンザウイルス薬です。新型インフルエンザが
発生した場合にしか使用できないため、市場には
流通していませんが、新型インフルエンザに
備えて国が200万人分を備蓄しています。
ファビピラビルは、インフルエンザウイルスの遺伝子複製酵素である
RNAポリメラーゼを阻害することでウイルスの増殖を抑制する薬剤です。
COVID-19を引き起こす新型コロナウイルスもインフルエンザウイルスと
同じRNAウイルスであることから、効果を示す可能性があると
期待されている薬です。
レムデシビル(米ギリアド)とは
レムデシビルはもともと米ギリアド社によって
エボラ出血熱の治療薬として開発されていた
抗ウイルス薬です。コロナウイルスを含む一本鎖
RNAウイルスに対して抗ウイルス活性を示すことが
明らかになっており、COVID-19の治療薬として
最も有望視されている薬剤の1つです。
米ギリアド社の抗ウイルス治験薬レムデシビルの試験結果は、
今月中に出るとみられています。
現状の臨床試験の状況は
現在、中国と米国で医師主導臨床試験が行われており、
国立国際医療研究センターは3月23日、NIAID主導の
臨床試験に参加する形で国アイでもレムデシビル
の臨床試験を開始すると発表しました。
これとは別に、ギリアドが日本を含む世界各国で臨床第3相(P3)試験を
行っています。
https://twitter.com/chisato_121220/status/1248041920909070336
ファビピラビルが世界で注目
中国政府は3月17日、COVID-19に対するファビピラビルの
臨床試験で良好な結果を得たとして、診療指針に正式に採用すると
発表しました。
日本では、富士フイルム富山化学がすでに生産を始めており、
増産の準備も進めています。国内で唯一、アビガンの原料である
マロン酸ジメチルを生産しているデンカは、日本政府からの
要請を受けて5月から生産を再開する予定です。
中国政府が発表した研究では、ファビピラビル(アビガン)を
新型コロナウイルスの感染患者に投与し、別の抗ウイルス薬アビドールを
投与した群と比較した。これもランダム化比較試験していますが
この研究では、ファビピラビル(アビガン)群の71%の患者が回復し、
対照群の56%より統計的に有意に優れていた結果がでています。
解熱時間は2.5日と4.2日、咳が治まるまでの時間は4.6日と6.0日で、
いずれもファビピラビル(アビガン)投与群のほうが良好という
結果がでたようです。
まとめ
この世界混乱を招いている新型コロナウィルスの対策は
最終的にはワクチンの開発が必要となってきますが
その前に治療薬の発見というのが時間的にかかることを考える
と先になってきます。
専門家の予想では、新型コロナのワクチンが得られるのは
少なくとも1年先になるとみられています。
そうした中、治療薬を巡って何らかの進展があれば、
経済活動が一部再開することも可能となります。
ファビピラビルとレムデシビルともに期待されている
有望なウィルス治療薬ですが、臨床試験の結果が本当
に待たれるところです。