アルゼンチンのデフォルト問題で垣間見れるヘッジファンドの実態。
この問題はヘッジファンド、エリオット・マネジメントが運営する
NHLキャピタルが保有するアルゼンチン債券の債務不履行に陥る可能性
が目前に迫ってきている問題です。
全額返済を求めるヘッジファンドとそれに反発するアルゼンチン政府
との間で30日までに和解しなければ、債権者への利払いができなる
ことを意味します。
そもそもこの問題の発端は、2001年にアルゼンチンが国債のデフォルト
を宣言した時、9割超の債券者が債務の減額に応じました。
米系ヘッジファンドはその時格安で債権者から減額前の債権を買い取り
その支払の期限が今回迫ってきています。
30日の期限をむかえると、債権減額に応じた債権者にも利払いができなく
なります。
しかし、アルゼンチンはこれらヘッジファンドの手法を批判しており、
支払能力はあるけれども、支払を拒否している状況が生じています。
アルゼンチン政府はデフォルト宣言をしないまま期限をむかえ、テクニカル
デフォルトになる可能性が高くなっています。
今回も問題は、2001年のデフォルトの際、債務減額に応じた債権者
との間で、削減に応じなかった債権者に特別扱いしない条項が含まれて
いたため、一部ヘッジファンドに全額返済するれば、その時の条項に
反故が生じるためだとアルゼンチン政府は主張しています。
ただこの条項も今年末で切れることから、アルゼンチン政府はそれまでの
支払延期を求めています。
この問題、ヘッジファンドのえげつない側面も垣間見られ、どちらかと
いえば、アルゼンチン政府の言い分に加担したくなるような問題の
ように見えます。