フーシ派とは?シーア派との違いとトランプ政権が攻撃している背景は!

トランプ大統領が、イエメンのフーシ派に対して
大規模な攻撃を指示しているようです。
そこで、今回は、そのフーシ派とはなにか、またその背景に
ついて調べてみました。
米軍がフーシ派に大規模攻撃
トランプ米大統領は15日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に
対する大規模な軍事攻撃を指示した。紅海やアデン湾などでの商船攻撃へ
の対抗措置で、イランにもフーシ派への支援を直ちに停止するよう警告した。
フーシ派は11日、紅海やアデン湾を通過するイスラエル船への攻撃を
再開すると表明していた。 もっと見る
トランプ氏は、フーシ派が攻撃を止めなければ「地獄の雨が降る」と自身
のソーシャルメディアで警告。「フーシ派による米国船舶への攻撃は許さない。
目的を達成するまで、圧倒的な殺傷力を行使する」とした。イランに対しては、
フーシへの支援を直ちに停止する必要があると主張し、イランがアメリカを
脅すようなことがあれば「全責任を負わせる」と警告した。
フーシ派が指揮する保健省によると、イエメンの首都サヌアでは空爆で少なくとも
民間人13人が死亡し9人が負傷した。
フーシ派の政治部門は、米軍の攻撃を「戦争犯罪」と非難し、「エスカレーション
にはエスカレーションで対応する用意がある」と声明で述べた。北部のサーダ州も
攻撃を受けているとした。
出典:ロイター
https://jp.reuters.com/world/security/NDDAVUHFEVPGHPWQGRASRQIT2Q-2025-03-15/
フーシ派とは?シーア派との違いと背景
米英軍は11日、イエメンの親イラン武装組織フーシ派の軍事拠点に対し
空爆を行った。同派が約2カ月にわたり紅海で船舶への攻撃を続けていたこと
への対応だ。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争は、イエメン北西部を
10年近く支配するフーシ派を巻き込んだ。
米英がフーシ派拠点を空爆、商船襲撃に対抗-中東で緊張拡大の恐れ
ハマスと同様にフーシ派もイスラエルを敵視するとともにイランの支援を受けている。
フーシ派はイスラエルとつながりのある船舶を標的にするとしていたが、イスラエルと
関係のない船舶も影響を受けた。フーシ派の指導者は米国と同盟国によるいかなる
軍事行動に対しても「重大な」反応を招くと警告した。
1.フーシ派とは?
2014年にイエメンの首都サヌアを支配下に置き、今日まで続く内戦が始まった。
同国北西部サーダ州出身のイスラム教シーア派系の一派であるザイド派の組織で、
北イエメンと南イエメンが1990年に統一された後、一連の反政府活動を
展開してきた。反西側・反イスラエルを掲げ、専門家によると、イランや
レバノンの親イランのシーア派民兵組織ヒズボラから軍事訓練や専門知識、
ドローンや弾道・巡航ミサイルなどのより最先端の兵器を入手している。
米国は21年、フーシ派のテロ組織指定を解除したが、バイデン政権は昨年11月半ば、
再指定を検討していると明らかにした。
2.フーシ派はイスラエルに宣戦布告したか?
フーシ派はイスラエルを敵だと宣言している。昨年10月にイスラエル
へのミサイルやドローン攻撃を企てた後、フーシ派のスポークスマンは
これについて「パレスチナで抑圧されているわれわれの同胞を支援」するため
イスラエルを標的にしたと説明。「イスラエルが攻撃をやめるまで」軍事作戦を
続けるという。イスラエルは10月7日のハマスによる国民虐殺への報復として
ガザ地区のハマスに対して軍事攻撃を開始した。
3.紅海で何が起きたか?
フーシ派は紅海を航行する船舶にミサイルを発射し、船に乗り込んで
支配しようとしたが、その多くは成功しなかった。攻撃の多くはインド洋から
紅海に入る船舶が通過するバブ・エル・マンデブ海峡付近から行われた。
昨年11月、フーシ派はイスラエルの実業家、ラミ・ウンガー氏の会社が所有する船
舶を拿捕(だほ)した。フーシ派は今月11日、アデン湾にミサイルを発射した。
米当局によれば、フーシ派による商船への攻撃は、昨年11月19日以降で27回目となる。
フーシ派、紅海でまた船舶攻撃-貿易へのリスク増大
4.フーシ派は実際にイスラエルを攻撃できるか?
フーシ派は射程距離が1350-1950キロに到達可能な液体燃料ミサイルを保有している
と主張する。イスラエルを射程内に収めるには十分な距離だ。サウジアラビアを挟んで
位置するイスラエルとイエメンの最短距離は約1580キロメートル。米軍は10月19日に
イスラエルに向けて発射された巡航ミサイルとドローンが米駆逐艦によって紅海で
撃墜されたと発表した。
フーシ派が紅海でミサイルとドローン攻撃、最大規模-米英部隊が撃墜
5.イエメン内戦の原因は何か?
11年初頭から中東・北アフリカで本格化した一連の民主化運動「アラブの春」により、
30年にわたり権力の座にあったサレハ大統領が退陣。米国が支持した権限委譲合意の下、
ハディ副大統領が暫定大統領選挙で当選し、新憲法制定や選挙への準備プロセスを
進めるはずだった。
だがフーシ派は連邦制移行を拒否。14年に政府が燃料補助金を引き下げると
反政府デモが発生し、フーシ派はハディ政権を首都から追放した。ハディ政権の軍は
国の東部を支配下に置いていた。15年にサウジがハディ政権支援のためフーシ派との
戦争に介入した。
内戦による暴力で一般のイエメン国民の生活は荒廃し、空爆や経済の崩壊、
飢餓拡大に見舞われる中で耐え難いほどの生活を強いられたという。
サウジ主導の空爆、イエメン南部を標的に継続-フーシ派との戦闘激化
原題:Who Are the Houthis Being Hit With US, UK Airstrikes: QuickTake(抜粋)
参照:ブルムバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-01-12/S74JJKT0AFB400
まとめ
今回は、フーシ派について、また米軍が攻撃を強めている背景
について調べてみました。
フーシ派とシーア派は、宗教的にも根本的な違いがありますが
背景には、イランがサポートしているのではとの懸念もあり
紅海でのシーア派の攻撃が、世界的な緊張の背景のひとつとなって
いるようです。
今後の動向にも注視が必要のようです。
ここまで読んでいただきありがとうございます。