IMFが中国人民元をSDRに組み入れたことで起こる外貨準備の影響は?
IMFが中国人民元をIMFの国際通貨パッケージであるSDRに
組み入れることを決定しました。
これまでのSDRは、USDの約4割を筆頭に、その次にユーロ、日本
そしてポンドで構成されていましたが、ここに中国人民元が入り
しかも組み入れ割合は、日本を超えることになります。
中国人民元は国際通貨としての役割を果たせるの?
人民元は現在、世界の貿易決済での使用率は3%にも満たしていません。
外為市場での割合はさらに小さいです。。また、IMFは人民元について
「自由に取引できる」と認定していますが、これは大いに疑問がのこる
ポイントです。
中国政府は表向き、元の国際使用に関する規制の多くをすでに
撤廃しているとされていますが、実際の人民元供給は限定的のままです。
資本移動は規制されたまま
本当の外貨準備通貨であれば自由な積み増しができるはずです。
そのため、中国は経常収支と資本収支の双方が赤字になることを
避けられないようです。人民元を外貨準備として外国に保有してもらおう
とすれば、中国は財の流出超過を容認せざるおえなくなります。
現在は、実際のところ中国は資本移動規制を強いており、国際的な自由な
フローとは程遠い状況です。
一般的に各国の外貨準備ニーズは高まる
中国人民元がSDRに組み入れられたことによって、人民元に対する
外貨準備のニーズは、4000億ドルから5000億ドル高まると
予想されています。
自由な外貨準備の積み増しを実現するためには、現在中国がおこなって
いる国内からの資本流出の規制も国際通貨に相応しく改革していく
必要に迫られています。