無責任辞任のファラージュ英独立党党首があてにしていたEEAとは
イギリスのEU離脱を牽引してきた、ファラージュ英独立党党首
も辞任しました。
イギリスのインディペンデンス・デイと勝利宣言をしていたはずの
党首が、辞任とは無責任極まりないとの意見が続出しています。
そこには、あてが外れたEEA協定にも原因があるようです。
EEAとは
94年に発足したEEAは、EU加盟28カ国、ノルウェー、アイスランド、
リヒテンシュタインに対し、モノ、サービス、資本、人の自由な行き来
を保証しています。
ノルウェー経済にとってEEAは欠かせない存在です。
輸出品の80%はEUに向かい、輸入品の60%以上はEU加盟国から
来ています。一方でノルウェーにはEU市民が制限なく自国に住んだり
働いたりする権利を受け入れる義務があります。英国で離脱に投票した人
の多くは、この権利を認めることに反対しています。
EEA加盟国の権利とは
EU非加盟のノルウェーは、いくつかのEU共通政策を採用して
いません。。農業、漁業、対外貿易に関する指令が代表的な例です。
特に漁業はノルウェーの基幹産業の一つであり、94年の国民投票
ではEUが漁業に口をはさむことへの抵抗が非加盟票を増やしました。
また、EUの政策に対する発言権はありません。そしてこのことは、
EEA加盟国がEUと協定を結ぶ際に最も不利な点としてよく言及され
ています。
ノルウェーはEEAに参加していることから、EU法の多くを受け入れ
なくてはならないが、それらの法律の策定に直接発言はできない
ようなっています。
ノルウェーは社会格差是正資金としてEEA資金メカニズムを通じて
年間3億8800万ユーロ(約444億円)を拠出しています。
移民問題は?
EEA参加国は、EU加盟国と同じように域内の自由な人の動きを認め
なくてはなりません。
国境検査なしでの出入国を許可するシェンゲン協定にも参加して
います。これは、EU市民が英国よりもずっと簡単にノルウェーに
入国できることを意味しています。
英国はシェンゲン協定に参加していません。
人口に占める移民の割合はノルウェーのほうが英国より高く、
ノルウェーのポリシーミックスが英国の保守党政権にとって魅力的でないことを
意味しています。
まとめ~移民政策に矛盾してしまう離脱派
EEA加盟国には移民について、セーフティ条項というものがありますが、
[だからといって、EU市民が制限なく自国に住んだり働いたりする権利を
認める義務があるわけでもなく、イギリスの離脱派はこのことに
対しての離脱票を投じてきたので、EEA協定に参加することは、離脱を
主張してきた政党にとっても矛盾してしまいます。
こうした、八方塞がり状態が、EU離脱を主導した責任ある党首が
辞めてしまう背景にあるようです。