中国国有銀行の不良債権について
中国の不良債権処理は今年1月から6月の間で昨年の2倍に
なっています。
5大国有銀行の不良債権処理は、1月ー6月期で約7880億円
の欠損処理、簿外化しました。
この額は昨年の約2倍の金額にのぼり、景気の低迷を反映した
結果となりました。
それにも拘わらず、5大国有銀行の6月末時点での不良債権残高
は昨年から21%増えており、中国の景気低迷の深刻さが表れて
います。
中国の経済成長率は1月ー6月期昨年の7.7%から7.4%に
下落、不動産バブルや、シャドーバンクの行き過ぎのファンディング
を警戒した、政府の引き締め策もここ最近では方向転換せざる
おえなくなっています。
中国政府は、不良債権処理を加速させるよう勧める政策をとって
いますが、経済成長が減速しつつある現状においては、不良債権
がの増加に歯止めがかからない悪循環に陥っているようにみえます。
中国の国有銀行は世界基準からすると、不良債権残高は低いほう
であるとされていますが、シャドーバンクを含めると不良債権
がどれだけ隠れているのか不透明であるのが中国の実態であり、
不動産価格が下落基調にあるかぎり、不良債権は増える可能性
が高いと思われます。
中国は不良債権処理を加速させるために、資産管理会社を設立
を急いでおり、とくに地方銀行からの不良債権の買い取りを
地方政府に認めさせています。
地方の鉄鋼、石炭産業は実質倒産し、それを地方政府、銀行が
抱えているケースが少なくないだけに、資産管理会社設立
によって、今後どれくらい実態が公開され、不良債権処理
がすすむか注目されるところです。