中国人民銀行が貸出オペ上限を上げる背景とは?

中国人民銀行は民間銀行に直接資金を貸し出す上限を120億元引き上げました。

これにより再割引オペの上限は7400億元となりました。

この再割引オペで資金を受ける銀行は、中小企業や農家に優先して安い金利で資金を貸し出すことを課されています。

同時に市場全体の金利を押し下げることを目的としたオペです。

中国はとくに加熱した不動産にからむ資金調達を抑えるために徐々に市中銀行への預金利率を絞ってきていましたが、ここにきて、また経済拡大のためのオペレーションに切り替えてきた感じがあります。

シャドーバンキングを通じて投資されていた資金回収懸念が強まるなか、ソフトランリングをはかるべき、徐々に蛇口を抑える政策をとっていた今年の前半の中国人民銀行の政策がここにきて、また拡大路線にかわってきているように思えます。

実際中国では、消費者物価と生産者物価指数の乖離が生じており、不動産投機を中心とした過熱感がある部分と、実際の生産分野でデフレ基調となっている矛盾点をずっとかかえたままとなっています。

そのネガティブのほうのしわ寄せは零細企業、農家に集中しており、その不満を吸収するための今回の貸出オペ上限の引き上げが決定されました。

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