アメリカの労働生産性と労働コスト
先週末の米国雇用統計の数字は、賃金の上昇が怠惰であることが示された
結果となりました。
時間給は前月比で1ペニーの上昇、前年比で2%の上昇と、労働市場の回復
傾向に関わらず、賃金に反映していない状況が示されたといっていいと思い
ます。
その意味で今週発表される、労働生産性と労働コストは注目に値する指標
です。
8日に非農業部門の労働生産性と労働コストが発表されます。予想では、
単位労働コストが、1.6%の上昇、労働生産性が1.4%の上昇と予想
されています。
1-3月の単位労働コストが、5.7%の上昇だっただけに、賃金上昇が
インフレ圧力を押し上げているというFRBの懸念は和らげると思われます。
6日に発表される6月の貿易収支は450億ドルの赤字が予想されています。
5月の444億ドルの赤字から少し広がるとの予想です。
5日に発表される、6月製造業受注が発表されますが、在庫関連の数字は
こちらからでもわかり、経済の好調さを確認できる指標の一つとなります。
先週発表されたGDPの数字が前期比4%の上昇と予想よりも高く、FRBによる
早期利上げの観測も強まってきている兆しがあるだけに、今週のこれらの
指標は実際にインフレ圧力を引き起こしているのか推し量れる大事な経済
指標となると思われます。
最近の市場はアメリカの早期利上げ観測に敏感になりはじめている様相を
呈しているので、先日の雇用統計、今週の労働コストの指標に過熱感が
ないことが示されると、市場にとっては好材料となるのかもしれません。