共和党下院議長ポール・ライアン氏のトランプ氏不支持表明の時間の問題で気をつけるべきことは

 米共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏の選挙陣営は

恒常的混乱状態を続けています。しかも彼はそれを好んでいます。

だが先週、ポール・ライアン下院議長やジョン・マケイン上院議員

といった共和党の重鎮らに対し、代理戦争を仕掛けるまでに至って

います。

 

尾を引いている軍人の遺族をdisったトランプ氏

戦死した兵士の両親を激しく攻撃し、この大統領選では「不正が行われている」

と主張してきたトランプ氏ですが、今度は反貿易、反移民を掲げる無名の

実業家ポール・ニーレン氏を持ち上げています。ニーレン氏は今週、

ウィスコンシン州で行われる上院共和党予備選に、ライアン下院議長の

対抗馬として立候補している人物です。トランプ氏は1日夜、ニーレン氏の

支持には「とても感謝している」とツイッターに投稿しています。

 

トランプ氏はライアン氏の対抗馬を支持?

trump

 翌2日には、米紙ワシントンポストに対し、ライアン下院議長を支持する

準備ができていないことを、「私はまだそこまで行っていない

(I’m just not quite there yet)」という表現を使って表明しています。

この言い回しはライアン氏が5月にトランプ氏を支持する準備ができて

いないと述べた際に使ったものと同じです。トランプ氏はさらに、

ニューハンプシャー州のケリー・エイヨット上院議員とアリゾナ州の

マケイン上院議員についても支持しないと表明しています。トランプ氏に

言わせると、エイヨット氏は「私をまったく支持しなかった」そうだ。

マケイン氏の予備選は8月30日に投票が行われるが、苦戦中です。

 

根に持っている軍の遺族に対するトランプへの批判

 トランプ氏がこの3人を激しく非難したのは、選挙陣営から連邦議会

へメモを回したにもかかわらず、戦死した兵士の父親キズル・カーン氏に

対するトランプ氏の批判を黙認することを拒否したためです。トランプ氏は

自己陶酔がひどすぎて、いかなる批判も聞き流すことができないようです。

それがどれだけ道義に根差したものであってもです。彼は自身の政治的な

利益のために働くというより、自分に批判的な人と乱闘したい性質のようです。

トランプ氏の言動により、彼を離党させたい、もしくは除名したいという

共和党員の衝動は強くなる一方です。

 

今後気をつけるべきことは

自分のことしか考えないトランプ氏は、今後大統領選を辞退してしまう

シナリオも考えられています。

もしこのままの世論調査で差が開くと、我慢し続けていたライアン氏や

マケイン氏がトランプ氏への不支持表明となり、トランプ氏の共和党からの

離脱の可能性もでてきました。

そうなると、市場反応で考えられるのは、ドル高です。

好調な米国経済の後押しもあってドルが大きく上昇する局面がこのままだと

ありそうです。

 

 

 

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