イラク問題の影にクルド人自治区。

現在起きているイラク紛争は、現在のイラクのマリキ政権とイスラムスンニ派のアルカイダ系武力勢力が武力侵入したことに起きている衝突です。

アメリカによるフセイン政権の倒閣の後、シーア派のマリキ政権が樹立されました。

スンニ派を弾圧する政策をとっていたシーア派のマリキ政権は、今回のISILの武力侵入に対して宗派対立に追い込まれる危険性も高まっています。

このようにイラク問題はシーア派とスンニ派の対立の構図のようにみられていますが、イラクには約2割の人口をしめているクルド人自治区があります。

クルド人は、主にトルコ、シリア、イラクにまたがる地域で生活しています。

同じ民族でありながら、別々の国属しているという複雑な状況におかれています。

国境またぎで別々の国の国境で生活しているクルド人は歴史的にも苦難の連続でした。

トルコではクルド人は存在しないとされ、クルド語や文化は否定され続けてきました。イラクでは隣国との戦争が起きるた際に敵国に協力したとされ、虐殺された歴史があります。

今回のISILがイラクに武力侵入したなかで、クルド人自治区がどういった対応とるか。このイラクの紛争を機会にクルド人自治区のど独立機運が高まる可能性があります。

トルコでは大勢のクルド人を国境付近に生活しているため、クルドを否定しトルコ山岳人としてきたトルコ政府も神経をとがらせています。

イラク問題は、中東全体のイスラム宗派の対立のきっかけとなる可能性と中東全体で2000万から3000万人が居住しているといわれている歴史的にも迫害をうけてきたクルド人の独立機運が高まるのかどうかも含めて複雑な対立関係のうきぼりにする危険性をはらんでいるといえます。

アメリカが安易に武力介入できないのは、こうした複雑な中東問題へと発展することを懸念しているためと思われます。

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